【トラック】特定技能ドライバーでできる業務・できない業務(運行/荷役/付随業務を整理)
特定技能「自動車運送業(トラック区分)」で採用した外国人ドライバーに、現場でどこまでの業務を任せられるのかは、採用設計の最重要ポイントです。業務範囲がズレると「現場は回るのに申請・運用が危ない」「想定していた配置ができない」といったトラブルにつながります。
結論:トラック区分は「運行」+「荷役」+“付随業務(条件付き)”
評価試験の想定範囲=業務の中心(運行業務・荷役業務等)
国交省の特定技能Q&Aでは、トラック運送業の評価試験は「運行業務・荷役業務等」に関する内容を予定していると整理されています。つまり、トラック区分の“主たる業務”は、運行と荷役を中心に設計されている、と理解するとブレません。
付随業務は「日本人ドライバーが通常やっている範囲ならOK」
同じQ&Aで、運転以外の附帯(付随)業務については、その会社に雇用されている日本人ドライバーが通常、業務として行う内容であれば従事させることが可能と示されています。
【できる業務】トラック特定技能で任せられること(具体例)
1)運行業務(トラックの運転に関わる中核)
- 配送・集荷などの運行(会社の運行ルールに沿った安全運転)
- 運行前後の確認(車両状態・安全確認)
- 乗務記録・日報・点呼に必要な報告(会社ルールに沿って)
2)荷役業務(積み下ろし・積付け・荷の安全)
- 積み込み/荷下ろし(現場ルール・安全手順に沿って)
- 荷崩れ防止の積付け、固縛、養生など
- 納品先での数量・伝票の確認(ドライバー通常業務として行う範囲)
3)付随業務(“条件付きでOK”の範囲)
ポイントは「日本人ドライバーが通常やっているか」です。たとえば次のような内容が、貴社の通常運用としてドライバー業務に含まれるなら、付随業務として整理しやすいです。
- 簡易な清掃(車内・車両まわり・自分の使用スペースなど)
- 出発・帰庫時の簡易手続き(鍵、点呼の流れ、所定のチェック表記入など)
- 軽微な付帯作業(梱包の最終確認、ラベル照合など“運行・荷役の一部”としての範囲)
【できない業務】やりがちなNGパターン(ここが一番危ない)
1)「倉庫作業だけ」「仕分けだけ」など“関連業務のみ”の配置
特定技能(自動車運送業)はあくまで運転を中心とした業務の枠組みです。関連業務(清掃・構内作業等)に触れる説明はありますが、実務解説では関連業務“のみ”に従事させるのは認められない趣旨で整理されています。
2)トラック区分なのに、旅客(タクシー・バス)業務をさせる
自動車運送業は3区分で要件が分かれます。トラック区分の人材を、旅客の運転や接遇が前提の業務へ回すのは区分ズレになりやすく、運用上も危険です(区分ごとに試験・免許要件が違います)。
3)適切な免許がない状態で運転させる(国際免許だけ等)
国交省Q&Aでは、国際運転免許証のみを所持している外国人が、特定技能外国人として運転業務に従事することはできない、と明確に示されています。免許要件と現場配置は必ずセットで管理してください。
4)“付随業務”の拡大解釈(日本人が通常やっていない作業を含める)
付随業務の線引きはシンプルで、「日本人ドライバーが通常業務として行う内容か」です。
現場でズレないための「業務範囲」整理テンプレ
採用前に、社内でこれだけ決めればズレが激減します
- 主たる業務:運行(配送・集荷)+荷役(積み下ろし・積付け)
- 付随業務:日本人ドライバーが通常行う内容に限定(例:点呼手順、簡易清掃、所定チェック表など)
- やらせない業務:倉庫専任、関連業務のみ、区分外業務、免許未取得での運転
チェックリスト(面接・配属前に確認)
- 候補者を配属する車格・ルート・荷役の実態は決まっているか
- 「倉庫だけ期間」が発生しない勤務設計になっているか
- 付随業務を“日本人ドライバーの通常業務”に合わせて定義できているか
- 免許要件(第一種)と運転開始の条件を社内で統一できているか
まとめ
トラック区分の特定技能ドライバーは、制度設計上「運行業務+荷役業務」が中心です。付随業務は認められますが、国交省Q&Aの考え方どおり、日本人ドライバーが通常行う範囲に揃えるのが安全です。
一番多い失敗は「現場都合で倉庫作業だけになってしまう」「付随業務を拡大解釈してしまう」ことです。